Hyperliquid大解剖:独自L1で実現した次世代オンチェーンDEXの全貌

Hyperliquid大解剖:独自L1で実現した次世代オンチェーンDEXの全貌

こんにちは、アールグレイです。

暗号資産の取引所といえば、これまでCEX(中央集権型取引所)かDEX(分散型取引所)かという二択が当たり前だったんです。

CEXはBybitやBinanceのように高速で使いやすいけれど、資産を預ける必要があって透明性に欠ける。

一方でDEXはUniswapのように透明で非許可型だけれど、使い勝手がいまいちで高度な取引機能が限られていたんですよね。

でも、Hyperliquidというプロジェクトは、その常識を根底から覆してしまったんです。

独自のL1ブロックチェーンを構築し、CEX並みの高速性と使いやすさを保ちながら、完全にオンチェーンで動作する革命的な取引所を実現したんです。

しかも、オンチェーンデリバティブ市場でなんと70%ものシェアを獲得しているんです。

今回は、このHyperliquidがどうやってCEXとDEXの良いとこ取りを実現したのか、その技術的な仕組みから実際の使い方まで、詳しく解説していきたいと思います。

 

Hyperliquidの革命的なアーキテクチャ

Hyperliquidの最大の特徴は、独自のL1ブロックチェーンを構築したことなんです。

多くのDEXがEthereumやその他の既存チェーン上で動作する中、Hyperliquidは取引所専用のブロックチェーンを一から設計したんですよね。

これって実はものすごく大胆な決断だったんです。

 

なぜかというと、独自チェーンを作るということは、セキュリティから分散性、ネットワーク効果まで全てを自前で構築する必要があるからです。

でも、Hyperliquidチームはそれでも独自チェーンの道を選んだんです。

その理由は明確でした。取引所に最適化されたブロックチェーンを作ることで、既存の制約を全て取り払いたかったからなんです。

 

このHyperliquid L1は、HyperBFTと呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを使用しているんです。

BFT(Byzantine Fault Tolerance)をベースにしつつ、取引所のワークロードに特化した最適化が施されています。

具体的には、オーダーブックの状態更新やマッチングエンジンの処理を、ブロックチェーンレベルで最適化しているんです。

 

さらに興味深いのは、Hyperliquidが採用しているCLOB(Central Limit Order Book)システムです。

これは従来のCEXで使われているのと同じオーダーブック方式なんですが、それを完全にオンチェーンで実現しているんです。

つまり、Binanceで取引するのと同じような感覚で板を見ながら取引できるのに、全ての取引がブロックチェーン上に記録されて透明性が保たれているんです。

 

このアーキテクチャの凄いところは、レイテンシー(遅延)を極限まで抑えていることです。

通常のDEXだと注文を出してから約定まで数秒から数十秒かかることがありますが、Hyperliquidでは数百ミリ秒レベルでの約定が可能なんです。

これは独自L1だからこそ実現できる性能なんです。

 

CEXクラスのUXを実現するユーザー体験

Hyperliquidを実際に使ってみると、その使いやすさにまず驚かされるんです。

インターフェースは完全にCEXライクで、BybitやBinanceを使ったことがある人なら迷うことなく取引を始められます。

でも、背後では全てがオンチェーンで動作しているという、まさに次世代の取引体験なんです。

 

ログイン方法も従来のDEXとは大きく異なります。

MetaMaskやWalletConnectを使ってウォレットを接続するだけで、すぐに取引を開始できるんです。

KYCや複雑な本人確認手続きは一切不要です。

これは分散型の大きなメリットですよね。

でも、それでいてユーザー体験はCEXと変わらないレベルを実現しているんです。

 

チャート機能も非常に充実していて、TradingViewライクな高機能チャートが標準で提供されています。

各種テクニカル指標はもちろん、描画ツールも豊富に用意されているんです。

さらに、リアルタイムでの価格更新やオーダーブックの変動も、CEXと遜色ないレベルで表示されます。

これまでのDEXでは考えられないレベルの洗練されたUIなんです。

 

注文方法も多彩で、成行注文、指値注文はもちろん、ストップ注文やOCO注文なども利用できます。

これらの高度な注文タイプが全てオンチェーンで実行されるというのは、技術的にかなり難しいことなんですが、Hyperliquidはそれを当然のように実現しているんです。

 

また、ポジション管理画面も直感的で、現在の損益やマージン状況、清算価格などが一目でわかるようになっています。

レバレッジの調整も簡単で、リアルタイムで必要マージンや清算価格の変化を確認しながら取引できるんです。

こういった細かい部分でのユーザビリティの高さが、Hyperliquidの大きな魅力の一つなんですよね。

 

 

実際の取引フロー:BTC/USDパーペチュアル取引の完全ガイド

では、実際にHyperliquidでBTCのパーペチュアル取引を行う流れを詳しく見てみましょう。

まず、Hyperliquidのウェブサイトにアクセスして、右上の「Connect Wallet」をクリックします。

MetaMaskが起動したら、接続を許可してウォレットを接続完了です。

これだけでもう取引の準備が整うんです。

 

最初に資金の入金が必要になります。

Hyperliquidでは主にUSDCが基軸通貨として使われているんです。

Ethereumネットワーク、Arbitrum、さらには直接Hyperliquid L1へと、複数の方法で入金が可能です。

画面右上の「Deposit」ボタンから入金画面に進み、入金したい金額を入力して送信します。

ネットワークによって手数料は異なりますが、Arbitrum経由だと比較的安価に入金できるんです。

 

入金が確認されたら、いよいよ取引開始です。

画面左側の銘柄一覧から「BTC-USD」を選択します。

すると、画面中央にリアルタイムのオーダーブックが表示され、右側には詳細なチャートが現れます。

このオーダーブックの動きを見ていると、まさにCEXと同じような感覚で板の厚みや価格の推移を把握できるんです。

 

例えば、BTCが90,000ドルで取引されているときに、91,000ドルでロングポジションを建てたいとしましょう。

注文パネルで「Long」を選択し、価格に「91000」、サイズに取引したい量(例:0.1 BTC)を入力します。

レバレッジは1倍から最大50倍まで選択可能で、レバレッジを5倍に設定すると、必要マージンと清算価格が自動計算されて表示されるんです。

 

注文を確定すると、即座にオーダーブックに反映されます。

市場価格が91,000ドルに達した瞬間、注文が約定してポジションが建ちます。

この約定の速さは本当に驚異的で、CEXでの取引と全く変わらない体験なんですよね。

ポジションが建つと、画面下部のポジション一覧に詳細が表示され、リアルタイムで損益が更新されていきます。

 

利益確定や損切りの設定も簡単です。

建てたポジションを右クリックすると、Take Profit(利確)やStop Loss(損切り)の設定画面が開きます。

例えば、95,000ドルで利確、88,000ドルで損切りという設定をしておけば、その価格に達した時点で自動的にポジションがクローズされます。

これらの機能も全てオンチェーンで実行されるため、透明性が保たれているんです。

 

日本の主要CEXとの徹底比較

日本の投資家にとって気になるのは、国内の主要取引所と比べてHyperliquidがどうなのかということですよね。

まず、bitFlyerと比較してみましょう。

bitFlyerは日本最大手の取引所で、規制遵守や安全性では非常に高い評価を得ています。

ただし、取引できる銘柄数は限られており、デリバティブ取引の選択肢も多くないんです。

 

bitFlyerの現物取引手数料は0.01%から0.15%程度で、これは国際的に見ると高めの水準です。

また、レバレッジ取引は最大2倍までしか利用できません。

一方、Hyperliquidでは手数料が0.02%程度と競争力があり、レバレッジは最大50倍まで可能なんです。

ただし、bitFlyerは金融庁の認可を受けた正式な暗号資産交換業者なので、日本の投資家にとって法的な安心感は大きいんですよね。

 

GMOコインとの比較も興味深いです。

GMOコインは取り扱い銘柄数が多く、アルトコインのレバレッジ取引も可能です。

手数料体系もbitFlyerより若干安く設定されています。

でも、やはり国内規制の影響で、取引できる銘柄や機能には制限があるんです。Hyperliquidなら、新しいトークンが上場されるスピードも早く、海外の最新DeFiトークンにもいち早くアクセスできるという大きなメリットがあります。

 

Coincheckは初心者向けのインターフェースで有名ですが、中級者以上のトレーダーには物足りない面があります。

特に、高度な注文タイプやテクニカル分析ツールの充実度では、Hyperliquidの方が圧倒的に優れているんです。

ただし、Coincheckは積立投資などの長期投資サービスが充実しているため、用途によって使い分けが必要かもしれませんね。

 

税務面での違いも重要なポイントです。国内取引所で得た利益は雑所得として総合課税の対象となり、最大55%の税率が適用される可能性があります。

一方、Hyperliquidでの取引も同様に雑所得扱いになりますが、取引記録の管理や税務申告の準備は自分で行う必要があります。

ただし、オンチェーンなので全ての取引記録が透明に記録されているため、むしろ税務申告時の証明は容易かもしれませんね。 

  

海外主要CEXとの比較:Binance、Bybitとの違い

海外の主要CEXとの比較では、また違った視点が見えてきます。

Binanceは世界最大の取引所として、圧倒的な流動性と豊富な取引ペアを誇っています。

手数料も競争力があり、VIPレベルに応じて0.1%から0.02%まで段階的に下がる仕組みです。

でも、Binanceの場合、カウンターパーティリスクが常に付きまとうんですよね。

 

実際、過去にはFTXの破綻、Mt.Goxの事件など、大手取引所でも突然資金が引き出せなくなるリスクが現実に発生しています。

Hyperliquidなら、資金は常に自分のウォレットでコントロールできるため、こうしたリスクを根本的に回避できるんです。

これは分散型取引所の最大のメリットといえるでしょう。

  

Bybitとの比較も面白いです。

Bybitはデリバティブ取引に特化しており、使いやすいインターフェースと豊富な注文タイプで人気を集めています。

最大レバレッジは100倍まで可能で、これはHyperliquidの50倍を上回ります。

ただし、Bybitは規制当局からの圧力を受けることがあり、日本からのアクセスが制限される可能性も常に存在するんです。

 

また、Bybitでは取引量に応じたVIPプログラムがあり、大口トレーダーには優遇された手数料が適用されます。

Hyperliquidでも同様の仕組みがあり、取引量が多いユーザーには手数料の割引が適用されるんです。

ただし、Hyperliquidの場合はオンチェーンでの透明性があるため、手数料の計算や適用状況を誰でも検証できるという大きな違いがあります。

 

さらに、CEXの場合は取引所が独自にマーケットメイキングを行ったり、価格操作の疑いが持たれることもあります。

Hyperliquidでは全てがオンチェーンで透明に行われるため、そうした疑念を持つ必要がありません。

価格形成のプロセスが完全に透明で、誰でも検証可能なんですよね。

 

HYPEトークンの仕組みとエコシステム

Hyperliquidのエコシステムの中核を担うのがHYPEトークンです。

このトークンは単なる投機対象ではなく、Hyperliquidプラットフォームの様々な機能と密接に結びついているんです。

まず、HYPEの最も重要な機能の一つがガバナンスへの参加です。

HYPE保有者は、プラットフォームの重要な決定に投票する権利を持っているんですよね。

 

ガバナンスの対象となるのは、新しい取引ペアの上場、手数料体系の変更、プラットフォームのアップグレード方針などです。

これらの決定がコミュニティ主導で行われることで、Hyperliquidは真の意味での分散型プラットフォームとして機能しているんです。

投票権は保有するHYPE数に比例して付与され、長期保有者により多くの影響力が与えられる仕組みになっています。

 

HYPEトークンのもう一つの重要な機能が、取引手数料の割引です。

一定数以上のHYPEを保有していると、取引手数料が段階的に割引されるんです。

例えば、1,000 HYPE以上保有していると5%の割引、10,000 HYPE以上で15%の割引といった具合に、保有量に応じて優遇措置が受けられます。

頻繁に取引するトレーダーにとっては、これは非常に大きなメリットなんです。

 

さらに興味深いのは、HYPEトークンのステーキング機能です。

HYPEをステーキングすると、プラットフォームで発生した取引手数料の一部が報酬として分配されるんです。

これは実質的に、Hyperliquidの成長と収益性に投資家が直接参加できる仕組みなんですよね。

ステーキング報酬の利回りは取引量に依存するため、プラットフォームの成長と共に投資家の利益も増加する設計になっています。

 

HYPEの発行スケジュールも良く考えられています。

初期供給量は10億枚で、そのうち40%がコミュニティ向けのエアドロップ、30%がチーム向け(4年間のベスティング付き)、20%がエコシステム開発資金、10%が早期投資家向けとなっています。

チーム向けトークンに長期のベスティングが設定されているのは、開発チームが長期的視点でプロジェクトに取り組むインセンティブを生み出すためなんです。

 

リスク評価と将来展望

Hyperliquidには確かに革新的な要素が多いですが、それと同時にリスクも存在することを理解しておく必要があります。

まず、技術的なリスクです。独自のL1ブロックチェーンを運用するということは、セキュリティの責任も自分たちで負うということです。

Ethereumのような実績のあるチェーンと比べると、まだ検証期間が短いのは事実なんですよね。

 

ただし、Hyperliquidチームは著名な暗号学者やブロックチェーン開発者で構成されており、技術的な信頼性は高いと評価されています。

また、定期的なセキュリティ監査も実施されており、透明性の高い開発プロセスを維持しているんです。

それでも、新しい技術には予期しない脆弱性が発見される可能性があることは覚えておくべきでしょう。

 

規制リスクも重要な考慮事項です。

デリバティブ取引を提供するプラットフォームは、各国の金融当局から注目される可能性があります。

特に、高レバレッジ取引や無許可での金融サービス提供に対する規制は、今後厳しくなる可能性があるんです。

Hyperliquidが分散型であることは一定の保護になりますが、規制の動向には注意を払う必要があります。

 

競合他社の動向も見逃せません。

Hyperliquidが成功を収めているのを見て、他の大手プロジェクトも同様の機能を開発する可能性があります。

実際、UniswapやdYdXなどの既存のDeFiプロトコルも、より高度な取引機能の開発を進めているんです。

技術的な優位性を維持するためには、継続的なイノベーションが必要になるでしょう。

 

一方で、将来性という点では非常に期待が持てるプロジェクトです。

オンチェーンデリバティブ市場はまだ成長の初期段階にあり、従来のCEXからの移行が進めば、市場規模は大幅に拡大する可能性があります。

特に、透明性やセルフカストディに対する需要が高まっている現在、Hyperliquidのような完全オンチェーンソリューションの価値は今後さらに認識されるでしょう。

 

また、機関投資家の参入も重要な成長要因です。

機関投資家は透明性とコンプライアンスを重視するため、全てがオンチェーンで検証可能なHyperliquidのようなプラットフォームに対する関心は高いんです。

実際、すでに複数のヘッジファンドや投資銀行がHyperliquidでの取引を検討していると報告されています。

 

まとめ:次世代取引所の可能性

Hyperliquidは、これまで不可能だと思われていたCEXレベルのユーザー体験とDEXの透明性の両立を実現した、真に革新的なプロジェクトです。

独自のL1ブロックチェーンとHyperBFTコンセンサス、CLOBシステムを組み合わせることで、従来の制約を打ち破ったんですよね。

 

日本の投資家にとっても、Hyperliquidは新たな選択肢を提供してくれます。

国内取引所の制限された環境から脱却し、グローバルな暗号資産市場に直接アクセスできる機会なんです。

もちろん、規制やリスクの面で注意すべき点はありますが、それを上回る価値があることは間違いないでしょう。

 

CEXとDEXの境界を曖昧にしたHyperliquidの登場により、暗号資産取引の未来像が大きく変わろうとしています。

透明性と利便性、分散性と効率性を両立させる新しいモデルが、今後の業界標準となる可能性が高いんです。

Hyperliquidはその先駆けとして、暗号資産取引の新時代を切り開いているのかもしれませんね。

この記事のポイント

  • 独自L1ブロックチェーンとHyperBFTコンセンサスによりCEX並みの高速取引を実現
  • CLOBシステムでオーダーブック取引を完全オンチェーンで実行
  • オンチェーンデリバティブ市場で70%のシェアを獲得
  • KYC不要でウォレット接続のみで取引開始可能
  • HYPEトークンによるガバナンス参加と手数料割引システム
  • 透明性とセルフカストディを保ちながらCEXレベルのUXを提供
  • 日本の取引所より豊富な銘柄と高度な取引機能を利用可能

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