
StripeとParadigmが決済特化型L1ブロックチェーン「Tempo」を発表!決済の未来がここから始まる
StripeとParadigmが決済特化型L1ブロックチェーン「Tempo」を発表!決済の未来がここから始まる
こんにちは、アールグレイです。
2025年9月4日、決済業界に衝撃的なニュースが飛び込んできました。あの決済大手Stripeと、暗号資産投資ファンドParadigmが手を組んで、全く新しいL1ブロックチェーン「Tempo」を開発していることを発表したんです。
これ、ただの新しいブロックチェーンじゃないんですよ。決済の未来を変えるかもしれない、とてつもなく大きな一歩なんです。
Tempoって一体何?決済のために生まれたブロックチェーン
まず、Tempoがどんなものなのか、お話ししましょう。
Tempoは「決済専用に設計されたL1ブロックチェーン」です。L1(レイヤー1)というのは、独立した基盤となるブロックチェーンのこと。イーサリアムやソラナと同じような、独自のエコシステムを持つチェーンなんです。
でも、ここが重要なポイント。Tempoは「決済」に特化しているんです。
驚異的なスペック
Tempoのスペック、聞いたら驚きますよ:
- **毎秒10万件以上の取引処理**が可能
- **1秒未満での決済完了**(サブセカンド・ファイナリティ)
- **EVM互換**(イーサリアムの開発ツールがそのまま使える)
- **ステーブルコイン専用のAMM**(自動マーケットメーカー)を内蔵
これ、どれくらいすごいか分かりますか?
現在のVisaの処理能力が毎秒約6万5千件と言われていますから、それを軽く超えてるんです。しかも、決済が1秒もかからずに完了する。コンビニでピッとやるのと同じくらいの速さです。
なぜStripeとParadigmが手を組んだのか
ここで気になるのが、なぜこの2社が手を組んだのか、ということですよね。
Stripeの視点:決済の専門家として
Stripeは、オンライン決済のインフラを提供する会社として、世界中で使われています。でも、従来の決済システムには限界があったんです。
- 国際送金に時間がかかる
- 手数料が高い
- 24時間365日の決済ができない
Stripeは、これらの問題を解決したくて、ブロックチェーン技術に目をつけたんですね。
実際、Stripeは最近、ステーブルコイン企業のBridgeを11億ドル(約1,650億円)で買収したり、暗号資産ウォレット開発のPrivyを買収したりと、Web3分野への投資を積極的に進めていました。
Paradigmの視点:暗号資産の専門家として
一方のParadigmは、暗号資産分野の投資とテクノロジー開発で有名な会社です。彼らは、ブロックチェーン技術の可能性を誰よりも理解しています。
でも、今までのブロックチェーンは「実用的な決済」という点では、まだまだ課題が多かったんです。スケーラビリティ(処理能力)の問題、使いやすさの問題、規制対応の問題...
Paradigmは、Stripeの決済ノウハウと組み合わせることで、これらの課題を解決できると考えたんでしょう。
豪華すぎるパートナー企業たち
さて、ここからが本当にすごい話です。
Tempoの開発には、世界を代表する企業が参加しているんです:
テクノロジー企業
- **OpenAI**(ChatGPTの開発元)
- **Anthropic**(Claude AIの開発元)
- **Shopify**(ECプラットフォーム)
- **DoorDash**(フードデリバリー)
金融機関
- **Deutsche Bank**(ドイツ銀行)
- **Standard Chartered**(スタンダードチャータード銀行)
- **Lead Bank**
- **Mercury**
- **Nubank**(ブラジル最大のデジタルバンク)
- **Revolut**(デジタルバンキングアプリ)
その他
- **Visa**(決済ネットワーク)
- **Coupang**(韓国のeコマース大手)
これらの企業が「デザインパートナー」として、Tempoの設計段階から関わっているんです。
つまり、実際に使う側の企業が、最初から開発に参加している。これって、実用性を最優先に考えている証拠ですよね。
Tempoが実現しようとしている未来
では、Tempoは具体的にどんな使い方を想定しているんでしょうか。
1. グローバル決済と給与支払い
世界中どこでも、瞬時に、低コストで送金できる。海外で働く人への給与支払いも、為替手数料を気にせずにできるようになります。
2. 送金(レミッタンス)
出稼ぎ労働者が母国の家族に送金する際の手数料が劇的に下がります。今まで10%近く取られていた手数料が、ほぼゼロになる可能性があるんです。
3. トークン化された預金による24時間決済
銀行預金をトークン化することで、週末や夜間でも決済が可能になります。「銀行が閉まってるから月曜まで待って」なんてことがなくなるんです。
4. 組み込み型金融アカウント
アプリやサービスに金融機能を簡単に組み込めるようになります。例えば、ゲーム内で直接決済したり、SNSで送金したりが当たり前になるかもしれません。
5. マイクロトランザクション
1円以下の少額決済も可能になります。記事を1文字単位で販売したり、動画を1秒単位で課金したり、今まで不可能だったビジネスモデルが実現できるんです。
6. エージェント決済
これが個人的に一番面白いと思うんですが、AIエージェントが自動で決済を行う未来です。
例えば、あなたのAIアシスタントが、あなたの代わりに最適なサービスを探して、契約して、支払いまで全部やってくれる。そんな未来が、もうすぐそこまで来ているんです。
現在の開発状況と今後の展開
現在、Tempoはプライベートテストネットで動いています。選ばれたパートナー企業が、実際に以下のようなテストを行っているそうです:
- 国境を越えた支払い
- B2B(企業間)決済
- 送金サービス
面白いのは、最初はTempoのデザインパートナーたちがバリデーター(ネットワークの検証者)となって運営し、その後、パーミッションレス(誰でも参加可能)なモデルに移行する計画だということ。
つまり、最初は信頼できる企業だけで運営して安定性を確保し、その後、徐々に分散化していく。とても現実的なアプローチですよね。
Matt Huangという男
Tempoを率いるのは、ParadigmのCo-founderであるMatt Huang氏です。
彼は、Paradigmでの役割を続けながら、Tempoの経営も行うそうです。これは、ParadigmがTempoにどれだけコミットしているかを示していますね。
Matt Huang氏は、元々Sequoia Capitalで暗号資産投資を担当していた人物。ビットコインやイーサリアムの初期から関わってきた、この業界のレジェンドの一人なんです。
既存のブロックチェーンとの違い
「でも、既にソラナとかポリゴンとか、速いブロックチェーンあるじゃん」
そう思った方もいるでしょう。確かにその通りです。でも、Tempoには決定的な違いがあります。
決済に特化した設計
既存のブロックチェーンは、DeFi、NFT、ゲームなど、様々な用途に対応しようとしています。でもTempoは、決済だけに焦点を絞っているんです。
これにより、不要な機能を削ぎ落とし、決済に必要な機能だけを極限まで最適化できるんです。
ステーブルコイン専用のAMM
ほとんどのブロックチェーンでは、ステーブルコインの交換にも手数料がかかります。でもTempoは、ステーブルコイン専用のAMMを内蔵することで、この問題を解決しようとしています。
規制対応を前提とした設計
VisaやDeutsche Bankが参加していることからも分かるように、Tempoは最初から規制対応を意識して設計されています。これは、既存の金融システムとの統合を真剣に考えている証拠です。
日本への影響は?
さて、このニュース、日本にとってはどんな意味があるんでしょうか。
実は、かなり大きな影響があると思います。
1. 国際送金の革命
日本は、外国人労働者が多い国です。彼らが母国に送金する際の手数料が劇的に下がれば、その分、日本での消費も増えるかもしれません。
2. 越境ECの活性化
日本の商品を海外に販売する際の決済が簡単になれば、中小企業でも簡単に海外展開できるようになります。
3. 新しいビジネスモデルの誕生
マイクロペイメントが可能になれば、日本のコンテンツ産業(漫画、アニメ、音楽など)に新しいマネタイズの方法が生まれるでしょう。
課題と懸念点
もちろん、すべてがバラ色というわけではありません。
規制の壁
各国の金融規制は複雑で、それぞれ異なります。Tempoがグローバルに展開するには、これらの規制をクリアする必要があります。
既存システムとの統合
銀行や決済会社の既存システムとどう統合するか。これは技術的にも、政治的にも大きな課題です。
セキュリティ
決済に特化しているということは、ハッカーにとっても魅力的なターゲットになるということ。セキュリティは最重要課題になるでしょう。
まとめ:決済の民主化が始まる
StripeとParadigmが開発するTempo。これは単なる新しいブロックチェーンではありません。
決済という、私たちの生活に最も身近な金融サービスを、根本から作り直そうという野心的な試みなんです。
もしTempoが成功すれば、以下のような未来が待っているかもしれません:
- 国境を意識しない瞬時の送金
- 週末も夜間も関係ない24時間365日の決済
- AIが自動で最適な決済を行う世界
- 1円以下の少額決済が当たり前になる経済
これって、まさに「決済の民主化」じゃないでしょうか。
大企業だけでなく、個人や小さな企業も、世界中の誰とでも、簡単に、安く、速く取引できる。そんな世界が、もうすぐやってくるかもしれません。
Tempoの今後の展開から、目が離せませんね。
皆さまは、この新しい決済の未来、どう思いますか?
この記事のポイント
- ✓StripeとParadigmが決済特化型L1ブロックチェーン「Tempo」を2025年9月4日に発表
- ✓毎秒10万件以上の処理能力と1秒未満での決済完了を実現、Visaの処理能力を上回る
- ✓OpenAI、Anthropic、Visa、Deutsche Bankなど世界的企業がデザインパートナーとして参加
- ✓グローバル決済、送金、24時間決済、マイクロペイメント、AI自動決済など6つの主要ユースケース
- ✓Stripeは最近Bridge(11億ドル)とPrivyを買収し、Web3分野への投資を加速
- ✓最初は信頼できる企業によるバリデーターで運営し、段階的にパーミッションレスモデルへ移行予定
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